AGA治療薬のプロペシアとアボルブの違い

男性型脱毛症（AGA）は男性ホルモンのテストステロンが関与する、薄毛、脱毛症のことです。男性ホルモンが関与するということなので男性にのみ発症の可能性があります。テストステロンは思春期以降に盛んに睾丸で作られるようになるため、男性型脱毛症も思春期以降の発症が多いです。このAGA治療ではプロペシア（フィナステリド）やアボルブ（デュタステリド）が治療薬として使われます。

この２つのAGA治療薬はどちらも同じ作用機序に基づいて作用する薬です。テストステロンは血液を通じて毛根組織に到達すると、５αリダクターゼという酵素によって活性化反応を受け、その後アンドロゲン受容体と結合し、髪の毛の成長期間を短縮することで薄毛、脱毛を引き起こします。プロペシア、アボルブはこの５αリダクターゼを阻害することにより、AGA治療薬としての効果を発揮します。プロペシアとアボルブの違いに関してですが、プロペシアは５αリダクターゼのサブタイプのⅡ型にしか阻害効果を示しませんが、アボルブに関してはサブタイプⅠ型、Ⅱ型ともに阻害作用を示します。

ただ男性型脱毛症に深く関与するのは５αリダクターゼⅡ型の方なので、どちらの薬でも男性型脱毛症には効果を示します。ただテストステロンの活性体の生成量を比較すると両者で違いが出てきます。プロペシアの頭皮内の活性型の生成抑制効果は４０％であるのに対し、アボルブの方は５０％と高い数値となっており、アボルブの方が５αリダクターゼ阻害作用が強いです。